がりつうしん

那須野ヶ原を中心とした話題と与太話、ほぼ余談。

たてばの名残り

「たてば(立場・建場)」とは、街道筋の駕籠や荷馬の人足が休憩する場所で、「継立場(つぎたてば)」あるいは「継場(つぎば)」とも呼ばれる。宿場間の距離が長い場合の休憩所の役割をし、ある程度の大きさの集落となり宿屋などの施設がある場合は「間の宿(あいのしゅく)」と呼ばれた。江戸幕府は宿場町保護のために権限を設け、宿場と間の宿を区別した。明治以後は荷馬車・人力車などの集合所・発着所を立て場といった。

「たてば」という屋号の店を見かけて前から気になっていた。



R461沿い熊の木と倉掛の境にある「ドライブインたてば」。

日光北街道沿い、ローソンのある槐橋分岐あたりをピークにして矢板方面に緩やかな下り坂になっている。坂を下ったところ、小山帰入口に「ドライブインたてば」があるのだが、ここは昔からある「たてば」なのだそうで「坂下建場」と呼ばれていたそうだ。

現在の道は昭和7、8年頃の改修により作られた道で、江戸期の道は「ドライブインたてば」の先で山道を上がっていく倉掛峠に向かうルートだ。その頃から峠手前の茶屋(建場)であった可能性は?「塩谷町史」ではあくまで、昭和初期の鉱山が盛んだった頃の馬車輸送の休憩に使われていた程度の話に留めているが、もしかしたら江戸期から続く立て場なのかもしれない。また柄堀地内(前述槐橋分岐付近?)にも「坂上建場」と呼ばれる「たてば」があったらしい。

「ドライブインたてば」はホルモン定食がうまいらしいな。いつも「やしお」に行ってしまうので機会がなかった。そのうち行ってみることにしようっと。