矢板市立郷土資料館の企画展「やいたの歴史街道展」を観に行く。H13から市教育委員会が調査していた矢板市内の古道調査の報告を兼ねた展示会である。
もちろん報告書「矢板市の古道」は即ゲット。内容が素晴らしい。地形図におとしたルート図も掲載されており、読んで、訪ねて郷土再発見なのだ。当分楽しめそうだ。
こんなに光の差し込む明るい空間の郷土資料館はちょっとない。来場無料だし、文献資料室もあるし、あとは無料Wi-Fiホットスポットと喫煙・喫茶コーナーがあれば、この辺の郷土史好きのたまり場になったり。
今回の展示は図版でしかお目にかかれないブツがいくつも展示してあるので、ぜひ期間中に来場願いたい。
まずは会津中街道矢板宿問屋坂巻家の高札だ。今年の2月に発見されたもので、いわゆる「駄賃札」といわれるものか。元禄九年正月とあり、隣の山田宿や川崎宿までの駄賃や夜間割増しについて、違法な割増し賃取り立ての禁止、宿の人馬の数、乗物の種類と人足の数、人足あたりの荷物の重さなどの決め事が書かれている。坂巻家といえば矢板武の先祖なわけで、蔵とかにずっとしまってあったのかな。
こちらは原街道の平沢の問屋渡辺家の高札。明治10年に栃木県が公布した箒川に懸けられた橋の渡り賃の表。渡辺家は箒川将軍塚渡渉点の手前にあり、橋の管理もしていたのだろうか。「この料金、官私無差別に差し出すこと!」と大書きしてある。明治10年あたりだと、内国通運会社による物資輸送がまだ行われていた頃だ。
矢板宿問屋開設願(根本家文書)は元禄8年、とある。あれれ、開設願いは坂巻家から出されていたものと思いこんでいたが。もちろん当時のホンモノである。こんな機会はめったにないよ。期間中にまた来よう。