本格粕取り焼酎 天鷹
カストリを呑む。酒粕を蒸留して造る粕取り焼酎。ワインの絞りカスを蒸溜したのがグラッパ、日本酒の絞りカスを蒸留したのがカストリ。匂いが独特だと聞いていたが、悪くないよ。
「カストリ雑誌」ということばがある。戦後相次いで出版された質の悪い紙で作られた「エログロナンセンス」と呼ばれる内容の雑誌だ。創刊されてはすぐ消える乱立状態が、「三合飲むとすぐ酔いつぶれる(又は、酒の質が悪く目がつぶれる)」カストリを、「三号出したらすぐ潰れる」とひっかけてカストリ雑誌と呼んだのだ。
はて、今飲んでいるカストリと、戦後出回ったカストリは違うものなのだろうか?と思って調べたら、戦後の混乱期のカストリは、1.酒粕を水で薄め蒸留したもの(今の粕取り焼酎と同じ) 2.日本酒が入手できない状況で、焼酎に酒粕を入れて飲んだもの 3.サツマイモなど雑穀を使った、原料不明の密造焼酎 4.メチルアルコールを混ぜた焼酎 などを総称した呼び方のようだ。質が悪く一番安い庶民の酒で、匂いがきつく鼻をつままないと飲めないものだったらしい。
また、昔は圧搾機が今ほど搾る力がなく、酒粕はアルコール分が強く、そのままでは肥料にできなかったため、粕取り焼酎を造り下粕にして田畑に撒いたという。