がりつうしん

那須野ヶ原を中心とした話題と与太話、ほぼ余談。

若喜商店@喜多方



蔵の街、喜多方市にある若喜商店。創業は宝暦5年(1755)、醸造業で醤油、味噌を造っていた歴史のある商家。蔵座敷・倉庫・蔵・道具蔵など八棟の蔵が残っている。 正面のモダンな店舗部分は昭和6年に食料品店として増築された部分。内装も天井部分が漆喰でイイ感じだが、外観も二階の丸窓やトンガリ出窓など見所多し。奥のレンガ蔵とともに国の登録有形文化財となっている。



レンガ蔵は明治38年(1905)の建築で、喜多方最初のレンガ蔵といわれている。喜多方は明治13年(1880)の大火の後、火事に強い土蔵造の蔵が多く造られるようになった。
明治23年(1890)三津谷地区に瓦生産を行う樋口窯業が開業する。明治37年の鉄道開通に際してトンネルや橋脚に使うレンガを供給したのがこの樋口窯業だ。創業者の樋口市郎は、若喜商店に住み込みで働きながら瓦製造の適地を捜し、若喜商店や若菜家などの資金援助を受け開業した経緯がある。そういった理由で若喜商店に最初にレンガ造りの蔵が造られたというわけ。



木骨煉瓦造の建物は、工期が早く性能が土蔵造と変らないと評判を呼び、樋口窯業を中心に広まっていく。・・土蔵とレンガ蔵、費用的にはどうなのか?



若喜商店のレンガ蔵は三階建の建物が道具蔵、二階建の建物が蔵座敷で客間になっている。出来た当初から自慢の建物だったのだろう。1階は総縞柿、2階は総欅造りの部屋になっている。奥には土蔵の味噌蔵があり、当時の繁栄を偲ぶことができる。






建築をめぐる話 若菜家のレンガ蔵の画像もあり
「喜多方・登り窯」再稼動の案内  昭和30年代に閉鎖された三津谷の登り窯が復活?