旧版地形図を眺めるのが好きだ。現代の地図では消えてしまった廃道の痕跡を探し、旧道が現役だった頃の道の賑わいを想い、今はなき鉄路の響きに耳を澄ます・・。現代の地図との比較でさらに旧版地形図の魅力が増してくる。地域の発展の仕方がわかってとても面白い。
旧版地形図を入手するには、国土地理院に複写申請を出すのが正攻法。あるいは古本屋でプレミアのついた当時の実物を手に入れるとか。気の利いた図書館なら地元の地図ぐらいは置いているかも。そんな一般の方には入手しにくい旧版地形図であるが、先日たまたま窓の杜に行ったら、こんなすごいソフトウェアがあることに気付いた。しかもフリーソフトで。
時系列地形図閲覧ソフト「今昔マップ2」 for Win
首都圏、中京圏、京阪神の50km圏内の明治・大正以降現在まで、地形図を使って変化を見ることができるソフトだ。新旧の地形図を切り替えて表示することができ、「ウオッちず」同様ドラッグスクロールもできる。
収録した旧版地形図は1,000枚以上。これを収集し、スキャンし、切り貼りし、敷き詰める作業は大変な手間と労力であることは想像に難くない。以前、大田原市内の新旧地形図を重ねてマウスオーバー画像を作ろうとした時も満足いくものはできなかった。昔の地形図は近代測量により作られてはいるが、結構テキトーで癖のある代物だからだ。単純に取り込んで繋げるだけでは、これほど見事に時系列の地図を重ならせることは出来ないと思う、多分。
大変貴重な旧版地形図をじっくり見られてグリグリ出来て、とってもシアワセ。ただし首都圏50km圈だからして、栃木県はかかっていません。こういうのを、教育委員会の予算で造ってよ。