がりつうしん

那須野ヶ原を中心とした話題と与太話、ほぼ余談。

クジラを観に行く

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鬼怒川河川敷で一千万年前のものとみられる、クジラの祖先のほぼ完全な化石が発見されたという。場所は宇都宮市下岡本町、新鬼怒川大橋、岡本頭首工の南側の右岸低水敷。先日14日、現地説明会があったらしい。たまたま午後が休みだったので現地を観に行ってきた。

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この付近の鬼怒川低水敷は泥岩の層が露出していて、右、左岸ともに化石の見つかるポイントとして有名だ。黒っぽい岩石はもろくすぐに崩れ、その中に白い小さな二枚貝の化石がすぐに見つけられる。

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奥が頭で手前が尻尾

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FNNニュースより


新聞記事によると、今回見つかった化石は、約一千万年前のナガスクジラやミンククジラの祖先にあたる種と考えられ、体長およそ8メートル、頭から尻尾の部分の骨まで揃っているそうだ。このようなほぼ生きていた状態と同じ形で見つかるのは珍しく、世界的に見ても貴重だという。

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一千万年前、関東平野は大部分が海で、栃木県立博物館によると、当時、入り江状になっていた宇都宮周辺の海は、常に赤潮が発生し、魚などの生息に不向きな環境だったため、クジラの死骸が食い荒らされず、ほぼ完全な形で見つかったのではないかという。

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発掘調査は今週中で終わり、4月中旬には栃木県立博物館で発掘されたままの形で特別展示、その後合同調査をしている群馬県立自然史博物館でクリーニング作業をすすめるとのこと。

アマチュアの愛好家が発見した、というのがすごいな。ハクセキさんと話したら、矢板市でも以前にクジラの化石がみつかっているらしい。発見場所はどの辺なんだろう?

栃木の自然をたずねて (日曜の地学)

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