下石上の西光院に「大火渡り祭」を観に来た。境内墓地脇に道場、その中央に祭壇と、薪と桧の枝で護摩壇が作られている。昨日とはうって変わっていい天気。
法螺貝を吹き鳴らしながら山伏が入場。那須修験道のほか、今回は下野真言宗と多氣山修験道の山伏も参加、総勢二十余名。
開始に当たり山伏全員が護摩不動明王に誓願
山伏問答
他山から来た山伏が当山の山伏と問答をする。どこの山伏か来山の目的は何か、山伏の心得、修験道の教儀についてなどが問われ返答する。許しを得て道場に入る。本来はもっと長いものらしい。
法斧の儀
山中の邪気を切り払いながら、護摩壇の柴と薪を切り集める様子を表している。
法弓の儀
道場は荒縄と幣束によって結界がされているが、さらに法の弓によってより強固に結界をし、魑魅魍魎が進入するのを防ぐ。四方、中央、鬼門に五色の矢を放つ。東:降三世明王、南:軍荼梨明王、西:大威徳明王、北:金剛夜叉明王、中央:不動明王の五大明王を勧請し、この方角を護り給えと矢を放つ。
法剣の儀
不動明王の利剣になぞらえた知恵の剣による作法。九字を切って邪気を払い、道場に諸仏諸神を勧請する。
床堅の儀
貴人座を強固に設える作法。大先達が柴燈護摩の導師作法をする前に、床堅師が床堅木という道具で打ち堅め、盤石の状態で望むための儀式。盤石の煩悩を打ち砕く知恵の座を意味する。
祈願文披露
御幣を付けた杖を捧げる
護摩修行に入ると、験者が大梵天を持って参詣者の頭上を大きく祓ってまわる。参詣者のバッグや数珠などを預かって、護摩の火にかざして邪気を払ってくれる。
護摩木祈願
青い空に護摩壇の白煙がもうもうと立ち上がる。大団扇であおぎ火に勢いをつける。
太鼓のリズムに乗せて見学者も一緒に不動明王の御真言を唱える。
のーまくさーまんだー
ばーざらだん
せんだーまーかろ
しゃーだー
そわたやらうんたら
たーかんまん
火渡りの準備
火渡りの儀
柴燈護摩をナマで観たのは初めてだったのでとても感動した。山中で行われる修行の様子を儀式化したものなのだろう。柴を燃やすのは虫除け、蛇除けのためだったのか?浅草寺の常香炉ではないけれど、全身に護摩壇の煙を浴びて、風邪を引かず健康に過ごせそうだ。