がりつうしん

那須野ヶ原を中心とした話題と与太話、ほぼ余談。

ドチャスズ

これは、ミスドの新作のドチャリング・・ではなくて、

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「駑者鈴(ドチャスズ)」という。中附駑者(なかづけどちゃ)が馬に付けていた鈴だ。

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「奥会津地方の山村生産用具」より


中附駑者とは、江戸時代初期より明治初年まで、会津西街道を中心に発達した物資輸送業者で、物資を街道沿いの宿駅を荷送りすることなく、目的地まで付け通しで運ぶ者のこと。街道沿いの農家が、農業の合間に普段農耕に使う馬で荷をつけて、駄賃稼ぎをしたのだ。

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ドチャスズは紐で馬の鞍などに結わえ鈴を鳴らし、熊や狐などから馬や荷物を守るために用いた。道中を歩く時に使うほか、6月頃に山に放牧する時も馬の首に付けた。ドチャスズの製作地は主に新潟の燕地方であった。

田島の「奥会津博物館(旧 御蔵入の里 奥会津地方歴史民俗資料館)」を訪ねた時、中附駑者の道具の展示があって、このドチャスズやドチャガネ(カウベルのような形のもの)もその中にあった。この形の馬鈴は初めて見たので、どんな音がするのか気になっていた。たまたま山形県観光物産会館のサイトを見ていたら、あの形の鈴があったのでつい注文してしまった。

中附駑者の馬方が唄った道中唄の拍子の鈴の音は、どんな音だったんだろう?という疑問がやっと解けた。きっと、街道沿いの道の駅や奥会津博物館のおみやげコーナーに置けば売れるのにね。

参考:「奥会津地方の山村生産用具」田島町民具研究会

当時の馬鈴 - がりつうしん