鰻峠再訪。
尾根上の東電の巡視路沿いに進んだところに祠を発見。これこそ峠の安全を祈るために奉納された遺物?でも、ちょっとだけコースとは外れたピークにあるのだ。
ピークのコブの上に人工的に盛られた塚があり、上が窪みになっていて、その中央にこの祠が鎮座している。
[左側面]
庄屋 森七良治
川上□氏子
延享五辰 八月一日
鍋掛町
□當□福寺
[右側面]
御社 建立
御□□□大□□縁□旅行安全
65・50・65cm(目測)
今回の探索で色々と情報を頂きお世話になったMさんに確認したところ、この地は「テンネンブツ」といい、昭和初期頃まで6月1日の日の出前にここに詣で崇敬する行事があったという。テンネンブツとは何なのだろう?
この辺りの山を富士山(ふじやま)というからには、どこかに駿河の富士山に形が似ている山があるのか。富士山の山岳信仰といえば浅間(せんげん)神社だ。センゲンブツがテンネンブツに転化したとか?
調べてみると、
「天念仏(テンネンブツ)」とは、太鼓を叩き念仏を唱えながら山頂に立って、天照大神と太陽を拝むお天道さまのお祝いであるという。天道山とか天道念仏、雨乞い祭りとも言うもので、もともとは日出前から登って山頂の土盛りした塚で儀式を行い、日没して下山した。村内の安全と風雨順調、五穀豊饒を祈願するものだそうだ。北関東での信仰が顕著で、鹿沼栃窪の天念仏、大田原市羽田八竜神社の天祭り、市貝町田野辺の天祭りなどが有名である。しかしこれらは神社の境内など「下界」に場所を移しての神事となっている。