R294の通る河岸段丘を下り、水路沿いの小道を歩く。よく釣りをしたという小川はコンクリートで固められ、真っ直ぐな用水路になっている。曲がりくねって河川際に向かう小道はほ場され、かつての道跡は無くなってしまったが、目印となる神社の位置はそのままだ。

当時クリノキ神社と呼んでいたらしいが、額をみると正式な名前は二荒神社だった。神社裏の森は山栗の林になっている。すぐ脇がさらに段丘になっていて崖下に那珂川が流れている。

神社の鳥居は南を向いており、その先には舗装されているが、くねくねとした道があった。この辺は以前の道と変わらないそうで、義父たちは「クリノキ道」と呼んでいたそうだ。ほ場される前はこのまま斜めに小川のところまで伸びていたという。
この段丘下の崖に佐良土に水を引く随道の水門があり、そのたもとでよく釣りをしたという。水門は二つありその間に岩山が突き出ている。藪を下りて川面が望める崖上に出てみた。

義父達が根性試しで飛び込んだという岩山だ。この近所で育ったかつてのワンパク達にとっては思い出深い場所なんだろうな。この岩の上あたりは私有地で民家があり、岩の上から崖下を覗くことはできなかった。後ろに小舟渡の橋が見える。車が擦違えない小さな橋だ。

対岸に見えた木製の舟。鮎釣りのときに使うものだそうだ。小舟渡は橋がかかるまではこんな舟で対岸と行き来していたそうだ。S30年代くらいまで?

もうすこし先の民家の入口につづら折の川に降りるポイントがあったそうだ。覗き込むと崩落して下りることができない。きっとじいちゃんもこのつづら折を下りて投網をぶっていたんだろう。