ひさびさに「武平まんじゅう」をいただいた。
今市市小林にある武平まんじゅうの「和田菓子店」は百年以上の歴史があるんだそうだ。またまたぁ、と信じていなかった俺だが、先日読んだ光武敏郎の「天狗党が往く」によると、武田耕雲斎率いる天狗党一千余名による西上の大行軍が小林の集落を通っていることにいまさらながら気づき、もしかしたら耕雲斎も喰った?などと思ったりした。・・「武平」は武平まんじゅうを作り上げた先代の名前だそうだ・・。天狗党が那須野ヶ原を通ったのは1864年だから食べてないね。・・とにかく小林集落は、会津西街道大宮通りの大宮宿から日光道徳次郎宿に抜けるバイパス沿いで、歴史があることに間違いはないようだ。
武平まんじゅうの特徴は、濃い茶色の薄皮に黒糖が練りこんであるらしく、ほろにが甘くやわらかくしっとりしていることだ。中のこしあんは、あまりしつこくない甘さでなめらか。普通の温泉饅頭に比べると平べったく押しつぶされたカンジ。ご進物がつぶれてるってどうなのっ?ともらうたび毎回思っていたのだが、生地が柔らかすぎてふつうの饅頭みたいにふくらまないんだそうだ。
天狗党一行は会津中街道の下石上宿から山田宿、矢板宿、川崎反町を通り、会津中街道から逸れて田所、会津西街道大宮通りの大宮宿に出てくる。鬼怒川をどこで渡るか悩み、上平付近で渡河、上小林に入る。その晩、現在の小林小学校付近に宿営したという。まさに和田菓子店の近くだよ。県道小林・逆面線から小林小学校へ入る道がやけに狭く、いい感じ。天狗党の大集団がぞろぞろと通過する様が目に浮かんだ。 旧道沿いに老舗あり、老舗に名物あり(ただし名物にうまいものなし)ということで、うまいものさがしの旅は続く。