がりつうしん

那須野ヶ原を中心とした話題と与太話、ほぼ余談。

茅の輪のお守り

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先日の西光院の火渡り祭の時に茅(ち)の輪のお守りをもらってきた。茅の輪は、粗末な身なりに扮したスサノオに貧しいながらも一宿一飯を提供した蘇民(そみん)へのお礼として、あらゆる災難を避けられる茅の輪を送ったという伝説に由来する。茅萱は生命力が旺盛で病気や災厄を祓う草とされていて、各地の神社では神事として無病息災、邪気退散を祈る「茅の輪くぐり」を行っている。

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石林の乃木神社でも夏越大祓式として茅の輪くぐりをやっていて、茅の輪のお守りを配っている。

日本神話のスサノオの伝説だし、茅の輪は神社の専売特許なんじゃないの?

という疑問が、喉元まで出掛かっていたのだが、ググれカス、という天の声がきこえたんで、おとなしく茅の輪をもらって帰ってきた。

仏教が伝来し、もともと日本土着の神様と習合して、日本の神々は、いろんな仏の化身なんだという考え方が生まれた(「本地垂迹(ほんちすいじゃく)」という)。
日本神話のスサノオ牛頭天王はともに行疫神(疫病をはやらせる神)とされていたため習合された。仏教バージョンの蘇民将来の説話では、薬師如来の化身、牛頭天王(武塔天神)が蘇民に手厚い施しを受けるお話しとなる。やはりお礼として災厄を免れ子孫繁栄するお守り、茅の輪や柳の木の護符を与える。祇園祭祇園精舎の守護神の牛頭天王スサノオのご機嫌をとり、行疫神の厄を払う行事だったが、牛頭天王は明治の神仏分離により弾圧され、以降は八坂神社の祭礼となり、祭神スサノオだけになった。