がりつうしん

那須野ヶ原を中心とした話題と与太話、ほぼ余談。

高湯山行人道 ヨシヤジから膳棚

ネビルさんから弥陀ヶ原の場所の情報を頂いた。紅葉の混雑前に行くつもりが、大混雑の真っ只中に来ることになろうとは。今日は強風でロープウェイは運休しているはずなので、ヨシヤジから高湯山行人道の続きを歩いてみる。

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ボルケーノウェイの休暇村那須脇の駐車スペースに車を停めて那須温泉ファミリースキー場に向かう。ゲレンデの左端に登山道入口がある。ここから高雄口登山道に向かうことが出来る。9:39

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10分程歩くと「晴清水」のあるヨシヤジ(芦谷地)に出る。 ここから一の城戸の不動岩に向かうルートが元々の高湯山行人道であるが、詳細が不明のため、今回は大衆化してから出来たと思われる飯盛温泉(膳棚の湯)ルートを辿ってみる。現在の高雄口登山道なんですけどね。

f:id:gari2:20140903002310g:plain拝所と参詣路 「高湯山信仰」廣本祥己:著より

 

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高雄口登山道に合流する。9:53 1198m

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この先、沢を渡る橋を越えたあたりから、登山道っぽくなってくる。道はつづら折を経て尾根上に出る。

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道脇の岩場に上がり、しばし山肌の紅葉を楽しむ。牛ヶ首方面の尾根筋を望む。1377m

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もともとの行人道の「不動岩」はどのあたりなのか。尾根に上がらずに谷沿いを行くのだろうか?

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しばらくして尾根を降り、南斜面の崖に面した道となる。ここに案内板がある。拝所である「膳棚」だ。10:32 1454m

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斜面が階段状に傾斜していることから「膳棚」というらしい。確かに段になっている。崖の途中から硫化水素ガスの煙が上っている。

しばらく進み、折り返して尾根に乗ると案内板がある。ここが飯盛温泉(膳棚の湯)跡らしい。当時の石垣が残っている。10:39

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飯盛温泉は古くは「膳棚の湯」と言われ、「那須温泉史」によると大正3年の発見とある。当時は「高湯山隠居場」と言われた。

大正9年(1920)に旅館が開業、飯盛温泉と命名され夏期のみの営業が行われた。泉質は無色透明塩類泉。以下「那須温泉史」の記述

大正15年(1926)8月、昭和天皇摂政官殿下、茶臼岳登山の際、帰途順路となり、その時に道筋の改修が行われ、高雄温泉からの行人道への連絡道となった。

この文章の「行人道」は元来の不動岩ルートのこと。大正15年に現在の高雄口登山道であるヨシヤジ~牛ヶ首部分の整備がされたということか?
明治42年測図 5万分1地形図「那須嶽」の登山道を検証してみると、現在の高雄口登山道とはまったく違うことが分かる。膳棚も飯盛温泉も通っていない。これが不動岩ルート、オリジナルの行人道なのか?

飯盛温泉は昭和15年(1940)、雪の重みで建物が倒壊、その後復興されずに現在に至る。泉源はどこかと木道下を流れる沢や斜面の建造物から流れ落ちる流れを触ってみたが温かくない。案内板には湯船の跡云々と書いてあるが見つけられなかった。

高湯山行人道 飯盛温泉跡から牛ヶ首 - がりつうしん