がりつうしん

那須野ヶ原を中心とした話題と与太話、ほぼ余談。

「烏山旭遊廓」/大森茂宏

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先日烏山に行ったのは、烏山の街中散策とジャンボ食堂訪問、そして、山あげ会館でこの本を買うことが目的だったのだが、あいにく祝日の振替で山あげ会館はお休みだった。昼飯に立ち寄った焼きそば屋で、お店のおばちゃんが、この本の作者大森さんのご自宅の近所だと判明。わざわざ電話してアポを取ってくれ、無事購入することができた。
明治初期、金井町筋、田町筋にあった遊女屋が、明治34年ごろ元烏山藩操練所跡地に集団移転する。それがこの本のタイトル「烏山旭遊廓」である。明治中期になると、各地の盛り場に散在していた遊郭が「風紀上よろしからず」という理由で集団移転しているケースが多い。宇都宮の「亀廓」、大田原の「深川新地」、浅草凌雲閣が玉の井に、などがそうだ。烏山の遊廓は全国的にも有名だったらしく、「吉原か烏山か」と云われるほど質が高かったそうだ。綺麗処が揃っており、吉原と同質の旦那遊びが満喫できたという意味であろうか。
遊廓などというと華やかなイメージがあるが、実際には人買い、女街(ぜげん)により集められ、遊廓外での生活を禁止された、当時芸妓・娼妓として生きた人々に対する人権侵害の現実があったわけで。せつないっす。